日本

バートンは空中に文字や絵を描画できる空中3Dディスプレイをデモンストレーションしました。同社はプラズマ発光という現象をディスプレイに応用することで、日中野外でも映像を空中に表示できるこの技術を開発しました。

"他のディスプレイとの最大の違いはスクリーンレスディスプレイであることです。スクリーンのいらない大気中に文字や絵を描画できる唯一の装置であることです。"

"なぜこのディスプレイを開発しようと思ったかというと、震災があった時、文字を空中に書けたらいいんじゃないかという発想でした。それで、空気中にどうやって文字を書こうかと思った時に、プラズマ発光という現象を使おうと考えたところが他との違いです。"

バートンはこの技術を防災向け用途に使うことで、災害時、どこに避難したらいいかとか、どこに食料があるか、と言った避難/災害情報を音と一緒に文 字で空中に表示することで情報の伝達を早めることを考えています。さらに、スクリーンレスディスプレイを使ったサイネージ(広告)への応用も視野に入れて います。

清水建設技術研究所では大型風洞実験で実施された実験結果を「京」コンピュータ」というスーパーコンピュータを使った超大規模数値流体シミュレー ションにより再現することで、建物の壁面に作用する局部的なピーク風圧値を詳細に予測できる新しい手法の研究開発に取り組んでいます。

北海道大学大学院と理研計算科学研究機構 では、自動車のまわりの空気の流れをシミュレーションする空力シミュレーションの研究をしています。自動車が走行する際に自動車に作用する空気の力を調べ ることは,燃費や走行安定性・安全性の向上に不可欠で、中でも一番重要な空気抵抗をスーパーコンピュータ「京」を使うことで、風洞実験に匹敵する高い精度 でシミュレーションすることが可能となりました。

"今まではシミュレーションというのは、風洞の代わりという事だったんですが、なかなか風洞の性能はでてこない。とい う事で、最後は必ず風洞で実験するけれども前段階でシミュレーションしていた。それに対して風洞実験をそのままシミュレーションに置き換えるようなそうい うシミュレーションが「京」でできるようになります。これができるようになると設計の非常に最初の方の段階で、まだ設計図しかない段階で、これから作る車 の空気的な性能がわかるようになります。"

金田義行氏が研究開発課題責任者をつとめる、HPCI戦略プログラム分野3「防災・減災に資する地球変動予測」地震・津波の予測精度高度化に関する 研究は、「地震課題」、「津波課題」、そして「地震や津波が都市に与える被害を評価する都市の課題」という3つのテーマに関する研究を「京」コンピュータ を中心とするスーパーコンピュータを使い、高精細・高精度な統合シミュレータの構築を目指し、地域の防災・減災対策に役立つような研究を続けています。

"我々は、2011年の東日本大震災で甚大な津波の被害を目の当たりにしたわけですが、これから我々が迎えるであろ う、南海トラフ巨大地震あるいは首都直下地震、これはいずれにしても大きな被害が想定されているわけです。地震や津波のいわゆる広域複合災害という事を考 えた時に、日本列島あるいは西南日本、あるいは首都直下のいわゆる首都圏を非常に精緻に色々なシミュレーションができる。これは非常に素晴らしい事です。 この「京」のようなコンピュータを使うことで、より複雑なそしてより多くのパラメータを使う事で、いわゆる我々が今まで見えなかった現象もある程度見えて くる。そんな事が研究面としては期待できると考えています。"

慶應義塾大学理工学部 電子工学科 久保亮吾研究室では、インフラサービスの観点から人と環境にやさしい社会の実現を目指しています。研究室では、対象を自由自在に操作するための制御工学と複数の対象をネットワークで繋ぐ情報通信工学の学問領域で研究が行われています。

"システムが高機能化されていくと、豊かな生活として、今まで実現できなかったようなサービス、例えば電力のサービス であったり、情報通信のサービスが実現できるようになります。それに加えてただ豊かになるだけでなく、持続可能な社会でなければならないので消費エネル ギーを削減し、かつ豊かな様々なサービスができるような社会を実現できると考えています。"

異なる学問を研究して見えてくる将来のネットワーク化社会。 制御工学と情報通信工学を融合する事で研究室では2つの新たな技術の研究開発を行っています。

大阪には昔から数多くの製薬企業があります。2013年に誕生したグランフロント大阪にオフィスを構えるNPO法人バイオグリッドセンター関西は、 現在、スーパーコンピュータを利用して薬品を創るインシリコ創薬と呼ばれる新たな基盤構築のプロジェクトに大学や製薬企業とともに取り組んでいます。これ まで医薬品の開発には長い年月と巨額の費用がかかってきましたが、インシリコ創薬では「京」コンピュータを用いる事で大きく効率化する研究が進められてい ます。

"もともとスーパーコンピュータとバイオ分野の融合という事で始めたんですけど、ちょうど2011年頃にですね、スパ コンの「京」が神戸に出来るという事を受けて、じゃあ製薬産業、創薬産業でスパコンを使った産業利用が出来ないかという事で、ちょうど京が共用開始になる タイミングに合わせて我々もプロジェクトメイキングして産業利用という事で手を挙げさせて頂いた。" バイオグリッドセンター関西は京都大学の奥野教授が「京」を利用して開発されたIT創薬と製薬会社とを繋ぐ架け橋となる活動をしています。「京」インシリ コ創薬基盤の構築のプロジェクトでは11社の製薬企業が参画し、プロジェクトの下で企業の壁を越えた議論が日々成されています。

東京大学及び富士通の研究グループは、分子モーターの動作原理の数理モデルから心臓の拍動を再現できるシミュレータを開発しました。これによりミク ロレベルの分子とマクロレベルの心臓を結んだ研究が可能となり、基礎医学および臨床医学の分野に実用するための高度な予測が可能となりました。

"私自体が担当しているのは心臓の機械的な動きと言いますか、力学的な動きを筋肉を収縮させる元になっている分子の振 る舞いをもとに、そういう大きなコンピュータのパワーを使って計算しようというそういう試みをしています。 今まではどうしても計算パワーの問題から分子の振る舞いのモデルから出発するときにどうしても重要な部分を省略して計算しないといけなかったので、 なかなか正確な計算ができなかったんですけども、「京」の計算力を利用してそのまま素直に分子一つひとつをシミュレーションして、それを心臓の筋肉の中に 埋め込んで拍動させるということが出来るようになりまして非常に自然な心臓の動きが素直に再現できるようになったと考えています。"

慶應義塾大学理工学部情報工学科 遠山研究室では、ITを支えるデータベースの技術をシンンプルで効率よく運用できるように3つの視点からアプローチをしています。 拡張、結合、応用、この3つの視点から新しいシステムを構築、実装を目指して研究しています。

"まず最初にSQLの拡張ということで、まさにその名の通りですけれどもスーパーSQLと言う言語を開発しています。 SQLというのはデータベースから情報を取り出す、そしてそれを合成するというような働きを持っていますけれども、取り出した情報を例えばウェブで使うた めには、更にそこでプログラムを書いてウェブに変換するという事をしなければなりません。スーパーSQLはデータベースからデータを取り出すだけではなく て、それを最終的な利用できる形に加工するまでの事を一つの言語の中で行う、そういう目的の言語です。"

遠山研究室で開発が進められているスーパーSQLは研究室でも歴史が古く、多くの学生が研究に携わってきました。近年では、実用化が進み、このスーパーSQLで構築する事によって既存のHTML+より少ないコード量で様々な端末のwebアプリが生成可能です。

出石は、従来のナットにはない新発想の構造、面による締結を実現した「キングロックナット」を開発しました。

"面での締結というと全面締結という形で弊社では言っているんですけど、全面締結ですので均等に力がかかりますので応 力が非常に少ない形を取れることができます。応力がかかることが少ないとボルトにストレスがかかるのが非常に少なくなりますので折れにくくなったりとか繰 り返し使えるというのが大きなメリットのひとつとなります。"

この図のように、キングロックナットはネジ山の両面でナットに接触するため、面着力が増し、高い締結力を保持します。また、17分間の振動テストに対しても全く緩まず、その後の戻しトルクも測定し、結果検証しています。

"普通ナットですとだいたい戻しトルクが42ニュートンで締めたとしても30ニュートンくらいで戻すようになるんです けど、弊社のナットですと42ニュートンで締めましたら40から50の間くらいの戻しトルクで戻すような形になりますので、それくらい締め付けのトルクが しっかりかかっているというのがデータでもわかると思います。"

中京は部品加工の際に切削抵抗が少ない刃先を持ったねじれ形状のPCDヘリカルエンドミル、エコへリックスを開発しました。

"先端にPCDと申します、超高温で超高圧下で作られました、非常に硬度の高い素材を持っているのですが、そちらに弊社の独自の技術でねじれ形状を施しました。 従来の製品は直刃、刃先が直刃なのに対して、弊社のエコへリックスは刃先がねじれておりまして、切削抵抗を低減しました。 "

エコへリックスは切刃をねじれ形状にする事で切削時に刃先が接触する部分を減らし切削抵抗が軽減されています。そして、加工した刃先にPCDと呼ばれる人工ダイヤモンドを接合させる事によって切削性と寿命を飛躍的に延ばしています。

"実際にご使用さして頂いておりますお客様のお話と致しましてダイヤモンドコーティングエンドミルと比較しまして、工具寿命が約70倍、ランニングコストにして約1/10を達成しております。 "

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