レビュー:カシオセルフィー(自撮り)用カメラ

REVIEW: Casio Selfie-Cam (Me, Myself & I)

カシオEX-TR35の奇妙な特徴
まずスペックから見てみると、12メガピクセル、23分の1インチバックライト搭載CMOSセンサーを3.8mm(フルフレームは21mmのそれとほぼ同じ)レンズと併せ、それをコンパクトだがイマイチパッとしないプラスチックのボディーに取り付けていることが分かる。

一見した感じだとなんら特筆する部分はないように思える。またなぜカシオがいち早く中国や東南アジア市場に向けて、それぞれ7万〜12万円(700ドル〜1200ドル。値段は買う地域による)の価格帯で売っているのかを説明する要素も見当たらない。カシオのマーケティングコピー文言によると

「自己表現のツールとして開発されたTR35はEXILIM TRシリーズの精神を継いで、女性の美しさを捉えることを追求しています。

TR35は「多様な美」コンセプトに根ざしており、女性の美しさを決定づける要素は決して一つではないという信念を前提にしています。

同機のデザインおよび機能は本人ですら気づいていない隠された魅力を引き出すために進化を遂げてきました。簡単に言うと、TR35は貴方の美のエッセンスに出会うためのものなのです。」

つまり同機はただのカメラではなく、女性の美しさを解き放つツールだということだ。少なくともマーケティングチームは消費者にそう思わせたいと目論んでいる。女性に自撮り用として使って欲しいというのを遠回しかつ大袈裟に言っているのであろう。そう、まさにこれはセルフィー(自撮り)用カメラであり、同社は次から次に同様の商品を出しているのだ。

[編集部注:さらに不思議なことに、カシオは日本を含む中国市場以外での販売をしていないということだった]


下にはすべてのギャラリーがある 

プラスチックの美しさ?
カシオが我々に渡してくれたのはパールのような輝きを放つ白色のモデルで、他にもショッキングピンクやリッチブルー、サーモンピンクとパステルピンクのカラーバリエーションが存在するが黒色はないそうだ。スクリーンおよびレンズの周りには銀色のフレームがあるが、工場の品質チェック部門が寝ていたのではないかと思わせるほどカメラとフレームの間に隙間が開いてしまっている。しかしさらなる精査の結果、そのフレームを回転させることでスタンドとして機能させることも出来、腕のリーチの外から写真を撮りたいときには便利であると思われる。またディスプレイも回転させることができるので自分の顔を撮るのに飽きた頃に他人の写真を撮るのにも使えそうだ。


下にはすべてのギャラリーがある 

見る人の目の中に 
画質は驚くほどに高く、iPhone 5Sのスチルカメラよりも若干高いだろう。周りが暗いと少しアラが目立つが、それでもクラブのトイレの鏡で自分の反射を撮る分には申し分ない。HS3エンジンもいい働きをしており、ピクセルの処理やフォーカス対象を探す速度なども早い。またボタンの感度も高く、人生のリア充な瞬間を撮り逃す恐れも少ないだろう。

カメラにはフィルター機能も搭載されており、メイクアップフィルターを使うことによってフォトショップのスムージングツールと同様の効果が得られ、あなたの既に美しい顔をさらに美しく見せることも可能だ。またそれらの機能へのアクセス性も高い。タッチスクリーンのレスポンスもよく、OSのレイアウトもカラフルで秀でておりアイコンもどれもひと目で分かりやすい工夫がなされている。


下にはすべてのギャラリーがある  

またこのカメラで1080pの動画も撮ることができ、Youtubeに動画を投稿する際にも便利だ。さらに、動画を撮るまでのスッテプも簡略化されており、3つほど操作手順を踏まえるだけですぐに撮影開始することが出来る。

カシオEX-100のレビューの時と同じく (英語だけ)、私はTR-35でもVLOG用に動画を撮影してみたがそのライト機能に軽く感心させられた。また人間工学に基づいたデザインも、今までVLOG用に使用してきたカメラの中で一番良かったと言える。

 

上辺以上の価値が?
TR35に関しては、本来の目的を完璧に果たしているため欠点を見つけるのが難しい。しかし自撮りに特化したカメラにどう価値を見出すかは人それぞれだろう。通信機能もすこし難がある。wifiによて遠隔操作することも可能だが、少なくとも我々がテストした際には最後のショットしか携帯に送信することは出来なかった。SDカードに収まった写真の全てを見うことは出来ず、他社のアプリのように写真を携帯に転送することも出来ない。この点はこのカメラの一番大きな問題かもしれない。なぜなら自撮りというのは撮ってからすぐにシェアされなければいけない性質のものだからだ。時間を開けすぎるとそれは過去のスナップ写真に成り下がってしまうのである。


下にはすべてのギャラリーがある 

需要と供給
そして値段についてだが、TR35のカメラとしての価値は残念ながら低いと言わざるをえない。同じ値段でカシオの主力商品であるEX-100やその他のハイエンドコンパクトカメラを買えば、大量の自撮りの合間に実際の写真を撮影できるのだから。

どんなにオシャレな人でも携帯のカメラ機能よりもすこしいいくらいの撮影機能のためにこのカメラを買うことは論理に反しているといえるだろう。

しかし、全く利点がないわけでもない。平凡なスペックとは裏腹にTR35は自撮り機能に特化しており、自己顕示欲をなによりも優先する人々にとってはハンドバッグを重くせずに持ち運べるというのは嬉しいことだろう。

しかし我々にとってはカメラそのものより、このような市場のニーズが実在し、カシオがそれに目をつけそれに合わせた革新的な新商品を開発したという素晴らしい事実に着目したい。日本の大手テクノロジー企業が既に確立された市場のセーフゾーンから抜けだすことは非常に稀であり、その点においてだけで販売価格にすら目をつむれるのだ。

• • •

All Photos & Videos by Senior Contributor Nayalan Moodley, AKA DarcNoodles - Darc.jpThanks to Ms. Nishizawa and Mr. Lau at Casio for providing a review unit. Get official specs and information on the Casio EX-TR35 here

[他のレビュー・英語だけ]
レビュー:パナソニック【LUMIX DMC-GH4】試してみました

 

Source: 

Related Articles

REVIEW: King Jim Noise-Canceling Earplugs - AkihabaraNews.com
私は、"Untitled Tokyo Two Man Tech Shows"という動画記事をAkihabaraNewsにて定期的に配信しています。その中で、King Jim(文具や雑貨の企画・製造・販売事業を展開する日本企業)が当時発売したばかりであった新製品【デジタル耳せん MM1000】(以下、デジタル耳せん)について話題に出したことがありました。