人型ロボット研究者・三浦郁奈子さんの一周忌を迎えて

Kanako Miura - AkihabaraNews.com

昨日5月19日は、人型ロボット研究者である三浦郁奈子さんの一周忌でした。三浦さんは、丁度1年前に交通事故でお亡くなりになりましたが、月日が経った今でも三浦さんが成し遂げた功績や人柄を忘れることはできません。以下日本語記事は2013年7月23日に、原著である英語記事は2013年5月29日に投稿されたものです。

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5月19日15時30分頃アメリカ・マサチューセッツ州のボストン近郊で、ロボット開発に多大な功績を残した三浦郁奈子さんが、自転車での走行中に大型トラックと接触した交通事故が原因で亡くなりました。36歳という若さでした。

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三浦郁奈子さんは、マサチューセッツ工科大学(MITの客員研究員として去年の10月からボストンに滞在し、1年間の滞在の予定で、世界的に有名なMITコンピュータ科学・人工知能研究所(MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory、CSAIL) にてロボット研究を行っていました。CSAILへ招かれた理由は、これまで三浦さんが取り組んできた人間の二足歩行に関する研究や、実用的な知識を高度な人型ロボットへ適用した先駆的な仕事内容が評価され、それらの知識・経験を共有するためであり、つまり簡潔にいうと、三浦さんが私たち人間と同じように歩行するロボットを作ったという実績でした。

「彼女は客員研究員のひとりというだけではなく、親しい友人であり家族の一員であり、僕たちのグループにとって欠かせない存在でした。彼女の仕事への熱意は明らかで、周りにも良い影響を与えていました。訪問者へ研究所を案内することが好きだった彼女は、人形ロボットの将来や重要性について常に前向きな考えを持った人でした。」
- Russ Tedrake教授、Center for Robotics(CSAIL)所長

三浦さんは、2004年に東北大学大学院・情報科学研究科を修了し、同年フランスのUniversité Louis-Pasteur博士課程(情報科学)を終了されています。この学歴や日本語・英語・フランス語が堪能なところから分かるように非常に素晴らしい知性のある方だと分かるでしょう。

博士号取得後には、東北大学やNTTドコモ総合研究所、そして産業技術総合研究所(AIST)の知能システム研究部門での研究員となり、そこで得た相当な専門的知識を三浦さんはMITへ提供しました。

AISTに所属していた頃、三浦さんは、未夢(ミーム)という愛称で呼ばれる世界的に有名な女性型ロボット「HRP-4C」の開発に取り組んでいましたが、名前を知らなくても、この愛嬌あるロボットの写真や動画をどこかで見たことがある方は多いかもしれません。

HRP-4Cは、外国政府のトップにも会ったことがあります:

上記のロボットを踏み台に、三浦さんを研究チームのリーダとして、AISTチームは人型ロボットの移動性や敏しょう性に関する独特で価値ある技術において大きく貢献しました。例えば、以下の動画は「Slip Turn」の動きを実演しています。「Slip Turn」は、身体をほぼ使わず方向を素早く変える時に必要な大変人間らしい動きです。何故これが目新しい技術なのかと不思議に思うかもしれませんが、ASIMOが方向を変えるときに行うステップを思い浮かべてください。全く異なるはずです。

三浦さんが率いたプロジェクトの中には、より人間に近い二足歩行の開発というものがありました。私たちが歩く時、骨盤の動きから始まり、その後は膝の動きと連動して歩行します。足の後ろ側がバランスをとりつつ、つま先を蹴っることで人間の自然な1歩は終わるのですが、その連続的な動きによって、足を振りだす人間的な歩行の動きが出来上がります。以下は、これらをロボットに応用した動画です。ASIMOには申し訳ないけれど、足を引きずるようなぎこちないASIMOの歩行は完敗ではないでしょうか。

また、三浦さんはモーションキャプチャ技術を使って、ロボットが人間の動きを真似る技術に関するプロジェクトも率いました。

人型ロボットの分野で多大な貢献をした三浦さんは、2010年に日本で「2010 AIST President Award」を受賞されています。

パーフェクトな人間複製を次々と作り出せる人はいませんし、もちろんアイアンマンの主人公・トニー スタークなんてこの世に存在しません。三浦さんのように、何度も何度も研究を続け、次の世代に向けてロボット工学研究の礎を築くために熱心に取り組む研究者は確かに存在します。

残念ながら、Akihabara NewsまたはAnthroboticは実際に三浦さんにお会いする機会はありませんでしたが、Tedrake教授の言葉や世間の反応を通して、三浦さんは頭が良くて熱心な研究者であっただけではなく、心が温かく人を引き付ける魅力ある人間であったと理解するまでに時間はかかりませんでした。もし、私たちにこんなに素晴らしい三浦さんとお会いできる機会があったとすれば、本当に大変光栄なことでした。

三浦さんの功績を少しでも共有できればと思い、この記事を書かせて頂きました。今後、ロボット研究やエンジニアリング、科学の分野で活躍される方には三浦さんの貢献を必ず知ってほしい、きっと将来への励みになるはずです。

三浦さんもきっとそれを望まれていることでしょう。

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情報源: Boston Police Twitter; Boston Police Department; Universal Hub; Boston.com; MIT News; CSAIL Computer Science and AI Laboratory News; IsolateCyclist Blog; Fenway-Kenmore Patch; Worldjournal.com (Chinese); IT Media (Japanese/日本語)

写真: LinkedIn; AIST; The White House

 

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本田技研工業は、ITS世界会議 東京2013において、駐車場の監視カメラと連携した自動駐車支援システムのデモンストレーションを公開しました。

今回のデモでは、駐車場の送迎エリアを想定した場所で車を停車させると、駐車場内の空きスペースの情報を受け取った車が無人で走行して駐車を行いま す。このシステムでは、複数台の車を効率良く自動駐車させることが可能で、特に郊外ショッピングセンターの広大な駐車場などで利便性を高めることができま す。

"こういうシステムがお店なんかに導入されれば、お客さんは店の前で車を乗り捨てて、あとは車が駐車場と協力しながら 自動的に駐車位置に行ってくれます。それから、買い物が終わって大きな荷物を抱えてきた時も店の前で待っていれば車が自動的に迎えにきてくれるというシ チュエーションをデモさせて頂きました。"

"たくさん車が増えれば、それをどう効率的に動かすかというようなことが必要になってきますので、こういうシステムがより必要になってくると思います。"

 

埼玉大学辻研究室は、リハビリやトレーニングでどのように筋肉が動いているのか、対象者が自分で見て効果的な訓練を行えるようになるリハビリ支援ロボットR-cloudを開発しました。

"こちらのリハビリ支援ロボットは腕を鍛えるリハビリ支援ロボットなのですが、動かすところに空気圧の人工筋が入って いて柔らかい動作で支援してくれるので安全性が高いこと、あとは特徴として力覚センサーをつけていて、それでトレーニングしている間の筋力の情報等を推定 してそれを可視化してみせる、あるいはトレーニングの効果を数字化して評価するような機能を持たせています。"

R-cloudは微妙な筋肉の動きを計算しデータ化することで理学療法士の方が動きの指導を的確に行えるようになり、対象者が自分で動きを確認できるようなります。

"このロボットには力覚センサーと腕の角度を測るセンサーがついています。その情報から腕の中でどの位の強さで筋肉が 引っぱっているかというのを計算したり、あとは訓練をした時にどの程度各筋肉がカロリーを消費しているか等を計算して 、訓練の効果がどの程度かというのを数値化する技術を実装しています。あとはそれをAR技術で可視化して見せるということを行っています。"

村田製作所は、ボールに乗ってバランスをとりながらフォーメーションダンスをする最新ロボット「村田製作所チアリーディング部」を発表しました。

ロボットの機能と構造は、村田製作所が保有するコア技術を用いて実現したもので、1991年に初代、2005年に2代目が開発された自転車型ロボット「ムラタセイサク君」、2008年に開発された一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」に次ぐ4代目のロボットです。

今回は、これまでの姿勢制御技術に加え、10体のロボットがそれぞれ協調して正確な位置を把握しながら移動するフォーメーションダンスを行うのが特長です。

"技術的な特長は3つあります。まず1つめがスタビリティ、安定性を確保する為の倒立振子制御技術です。これは「ムラタセイサク君」、「ムラタセイコちゃん」で培ってきた技術をさらに高度化したものを搭載しています。"

ロボットの体には前後方向(pitch)、左右方向(role)、回転方向(yaw)の3軸を検出するためのジャイロセンサが3つ搭載されており、 360度全方位での姿勢制御を可能にしています。このジャイロセンサは、カメラの手振れ防止やカーナビ、自動車の横滑り防止装置などに使われているもので す。

 

"このイスは、体調を調べるためのセンサが数種類埋め込まれていまして、座るだけで血圧、体温、体動、脈の波形などを一気に採る事ができまして、日常の健康を管理する上で非常に有益な情報をクラウドに上げることができます。"

"いろいろ話を伺うと、ひとつひとつ測るのが面倒くさい、時間がかかる、できることなら一気に体に関する情報を獲得し たいという話を頂きました。そういうものをまだ大きいですができるだけコンパクトにして、皆さんが集まるような場所で日頃の健康というのをどんどん採って 頂いて、なにか変化があった時には早めにお医者さんに相談して頂けるようにといったことを考えています。"

"異常が見つかった時には、ビデオカンファレンスで遠隔地のお医者さんと相談できるシステムを考えています。データは蓄積されていますので、担当の医師の方はそれまでの情報を閲覧しながら適切なアドバイスができるようになっています。"

"今病気で、お医者さんにかかっている方ではなく、健康な方が日常の健康維持のことを考えながら、もしもの時に備える、もしくはより良い生活を送って頂くという所を対象と考えています。"

 

"電気通信大学と株式会社シンフォディア・フィルとの共同の作品で、「Hairlytop Interface」というものです。映像を再生したiPadの上に置くと、このように映像の明るさの変化に応じて生き物のように動き始めるというものです。"

"システムの特徴としては、動きが生き物のようにとても可愛らしいというのがひとつ、あとはデザインの自由度が極めて高いということです。"

"基本的には光センサーと形状記憶合金が多数組み合わさった構造になっています。構造が非常にシンプルであるためにい ろいろな所に付けることができます。例えば、ペットロボットの表面にたくさん植えてペットの毛皮として使ってしまうとか、将来的には、これは野望に近いん ですが、これで床を敷き詰めて床全体が動くようなものを作ってみたいと思っています。"

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