世界初:完全な量子テレポーテーションに成功

世界初:完全な量子テレポーテーションに成功

 

東京大学大学院 工学系研究科 古澤研究室では、世界で初めて光量子ビットの完全な量子テレポーテーションの実証に成功しました。 1997年にオーストリアのインスブルック大学の研究チームにより光量子ビットの量子テレポーテーションが実現されていましたが、転送後の測定が必要なことや転送効率が低いため情報処理には使用する事ができず、量子通信や量子コンピュータの実用には程遠いものでした。 今回古澤研究室でおこなった光量子ビットの量子テレポーテーションの実証実験では従来に比べ転送効率100倍以上を可能とし、転送後の測定も必要としないため量子情報処理技術の実用に向け大きく前進しました。

"1997年に、量子ビットのテレポーテーションというのが、先程お話したように成功した訳ですが、それは確率的にしか成功しないという事は今お話した通りなんですが、それとちょっと違うやり方で、我々が1998年に、条件なしで完全なテレポーテーションに成功していました。ただその時は、送る状態が量子ビットではなくて、もっと別なものだったんです。今回は我々の1998年に成功した実験技術を用いて、量子ビットでテレポーテーションを行ったと。論文のタイトルは「ハイブリッドテクニック」とあるんですが、その「ハイブリッドテクニック」の開発に成功したということになります。"

「ハイブリッドテクニック」では光の波動を広帯域の周波数範囲で転送できる技術と、光量子ビットが持つ周波数の範囲を狭める狭帯域化技術を合わせて開発する事により、光の波動に光量子ビットの情報を載せノイズに乱される事なく情報を転送する事を可能としました。 今回の研究成果はイギリスの科学学術雑誌ネイチャーにも掲載され、量子情報処理技術の実現に向け世界中から大きな注目を集めています。

"一義的には量子コンピュータが実現に近づいたという事が言えると思います。テレポーテーションというのは、入力と出力が同じ高等演算の量子ゲートと考える事ができますので、それを少し改造して、その入力と出力を違った形にして出すという事が可能である事が知られています。そういうような入力と出力の形を変えるという事をプログラムと読み替えれば、プログラマブルな量子ゲートができたという事ですから、それをたくさん組み合わせて量子コンピュータになっていくと思います。"

古澤研究室では今後、転送効率アップのための改良や光導波路を使った光IC化による装置の小型化を目指し、量子コンピュータの実現に向けた更なる研究開発を進めていくとの事です。

 

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